マンタって??

石垣島を含めた八重山諸島で会える通称『マンタ』はナンヨウマンタです。
以前はオニイトマキエイとして1属1種とされてきましたが2009年に2種に分けられました。
その後ナンヨウマンタはイトマキエイやヒメイトマキエイなどのイトマキエイ属だと判明し
学名もManta alfrediからMobula alfrediに変更されました。

生息域

インド太平洋の温・熱帯海域の沿岸に生息し、主にプランクトンやオキアミを餌としています。
八重山諸島ですと石垣島、西表島、黒島、小浜島、新城島で頻繁に見られます。

体長

ナンヨウマンタの体長は最大で5m以内です。(オニイトマキエイは6m以上になります。)石垣島近海のマンタは平均で3m前後、ここ数年で出会えた最大のマンタは3.5m~4mぐらいです。たまーに子どものマンタに遭遇する事がありますが1.5~1.8mほどでめちゃくちゃ可愛いです(≧▽≦)

雌雄の違い

マンタはお腹側の尾ビレの付け根をよーく見ると雌雄の区別が出来ます。
オスはクラスパーという交接器官がありメスにはありません。

寿命

寿命は推定40年ぐらいで、メスは平均4~5年/回妊娠するそうです。

個体識別

お腹の黒い斑紋で個体識別が出来るので、八重山諸島ではこれまでに300枚以上のマンタが確認されています。
頭鰭(トウキ)が無かったり、胸鰭(ムナビレ)にサメの歯形のような傷がある痛々しいマンタもいますがそれで大まかな個体識別も出来ます。

生態・特徴

エイの仲間ですが尾ビレには毒針は無いので安心してください。
またマンタのお腹や背中にはコバンザメがくっ付いている事があります。
コバンザメは頭部背面に小判型の吸盤を持ち、マンタやクジラ、ジンベエザメ、ウミガメなどの大型の水生動物に吸着し食べ残しや排泄物などをエサとしています。
コバンザメはくっ付いたり離れたり時にはマンタのお尻の中に入ったり!マンタウォッチングの見どころの一つでもあります。

さて石垣島のマンタポイントで会えるマンタはそこに住んでいるわけではありません。
クリーニングステーション(特定の根の上)にやってきてホンソメワケベラやコガシラベラ幼魚などのクリーナーに身体に付いた寄生虫を取り除いてもらうためにやってきます。
早起きのマンタだと朝8時頃から夕方は17時頃までマンタは入れ替わりやってきます。
10時~14時までの時間帯が遭遇率が高いです。
移動中は口の横にある頭鰭(トウキ)は外側にクルリンと巻いていますが、リラックスしたクリーニング中やプランクトンの捕食中などはダラリーンと下がります。
そしてクリーニングステーションの根の上を優雅にクルクル旋回したりホバリングをして私たちダイバーを楽しませてくれます。
クリーニングが終わると大体決まったある方角へ帰っていきます。
そんなに遠い所までは行ってないと思いますが夜は100m以深の場所へ戻っているそうです。
今のところ住んでいる場所は誰にも分かりません。
クリーナーはどこにでもいるのになんでココ?凄腕のクリーナーがいてマンタに口コミで広がった?!
オスとメスの出会いの場にもなっているので、マンタにしか分からない何かがあるんでしょう(知らんけど)
近い将来、科学技術が進みバイオロギングなどの調査で解明される日が来るかもしれませんね!

あなたはどのシチュエーションに出会えるかな?

レア度:★、★★

レア度★:マンタの脱糞(ウンチ)
回りの魚が一斉に集まります。バク宙する事も!
レア度★★:マンタのウインク
接近してきた時に近くでよーく見てないと分かりませんがサメと同じようにグルンと動きます

レア度:★★★、★★★★

レア度★★★:マンタトレイン
秋の求愛シーズンになるとメスを先頭に数枚のオスのマンタが速いスピードで追いかけます。
レア度★★★★:マンタの大乱舞
10枚以上のマンタが同時に見れます多い時で20枚以上になり数え切れません。

レア度:★★★★★、★★★★★★

レア度★★★★★:ブラックマンタ
背中もお腹も真っ黒なナンヨウマンタで同種ですが稀種なので数年に一度しか会えません。
レア度★★★★★★:マンタのジャンプ
優雅に泳いでいたマンタが急浮上して水面へ向かってそのままジャンプ! 寄生虫を取るためか?遊んでいるのか?

マンタに出来る限りストレスを与えないようにウオッチングするためのローカルルールがあります。

スキューバダイビングの時

・マンタを追いかけない
・マンタを触らない
・ホバリングする根の上へ行かない。(マンタが居ても居なくても)
・移動中はガイドと同じ深度をキープ
・移動中に遭遇したら進路を妨害せず下へ避ける
・水中ライトを向けない
・マンタを観察してるダイバーチームとマンタの間を通過しない

シュノーケリングの時

・素潜りしない
・水面でもホバリングする根の上を通過しない
・ガイドの浮き輪から離れない
・立ち泳ぎしない

ポイントにボートで行けた場合に会える確率です

1、川平石崎マンタスクランブル

最大水深23m(平均5~10m)初級~中級レベル。時に流れる
集まる理由 クリーニング、求愛
北東、北、北西、西風は不向き
とても範囲が広くクリーニングステーションも年々変わりあまりホバリングしなくなってきている。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
10% 10% 30% 30% 30% 30%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
30% 50% 50% 50% 30% 30%

2、川平石崎マンタシティ

最大水深23m(平均4~8m)初級レベル。時に流れる
集まる理由 クリーニング、求愛
北東、北、北西、西風は不向き
2017年秋頃から従来のクリーニングステーションから100mほど西側の浅い根でホバリングするようになってきた。
マンタ保護の観点からボート停泊は5隻までのルールがあり長い時で1.5時間待ちの人気遊園地のアトラクション並み!

1月 2月 3月 4月 5月 6月
10% 10% 30% 30% 50% 50%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
70% 70% 90% 90% 70% 50%

3、黒島V字

最大水深40m(平均2~5m)初級レベル。
外洋からのウネリが入りやすい
集まる理由 食事
北西、西、南西、南風は不向き
冬から春にかけて発生するプランクトンを捕食するため水面にマンタが集まるのでサメのヒレのように見える
ダイビングよりシュノーケリングで見れる事が多い。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
90% 70% 50% 30% 10% 10%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
10% 10% 10% 10% 30% 50%

4、パナリビッグコーナー

最大水深30m(平均5~10m)初級~中級レベル。
基本はアンカリングだが流れる事が多いのでドリフトダイビングの場合もある
目的 クリーニング
南、南東、東、北東の風は不向き
2016年春頃に発見された新しいクリーニングステーション

1月 2月 3月 4月 5月 6月
70% 70% 70% 50% 50% 50%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
50% 30% 30% 30% 30% 30%

5、ヨナラ水道 聖地

最大水深28m(平均27m)中級~上級レベル。
流れが強いのでドリフトダイビングが主流
稀に潮止まりでアンカリングで潜る事もある。
集まる理由 クリーニング、求愛
北、南の風は不向き
小浜島と西表島間のヨナラ水道にある元祖マンタポイント、マンタウエイとは違う新しいスポット。低いホバリングの根に周囲は砂地なので幻想的な光景基本は下げ潮の時間帯で潜る。バラツキはあるが年中見れる

1月 2月 3月 4月 5月 6月
50% 50% 50% 50% 70% 70%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
70% 70% 70% 70% 50% 50%

6、野原曽根

最大水深50m(平均15~20m)中級~上級レベル。
流れがあり隠れ根のトップで30mなのでドリフトダイビングのみ
集まる理由 クリーニング、求愛
どの風向きも穏やかでないと不向き
ヨナラ水道の北側沖にある大物ポイント
マンタ以外にもイソマグロやマダラトビエイ、バラクーダの群れ、ギンガメアジの群れなど当たれば凄い!

1月 2月 3月 4月 5月 6月
30% 30% 30% 30% 50% 50%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
50% 50% 50% 50% 30% 30%

7、鹿ノ川

最大水深23m(平均5~10m)初級レベル。
集まる理由 クリーニング、求愛
南東、南、南西、西、北西の風は不向き
クリーニングステーション近くの巨大なアザミサンゴも見どころ。遠方なので年に数回しか行かない

1月 2月 3月 4月 5月 6月
30% 30% 50% 50% 50% 50%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
30% 30% 30% 30% 30% 30%